東京オリンピックの開会式まで50日。1日に来日したオーストラリアのソフトボール代表は、毎日、PCR検査を受け、5日から練習を始めるということです。
エレン・ロバーツ選手:「オリンピックは私の人生の全てをかけた夢。オリンピックへの準備もそうだが、安全のためにできる限りのことをしたいと思っている。オリンピックはとても大事なことだけど、日本人の健康はもっと大切なもの」

東京オリンピックの開幕が迫るなか、政府の分科会の尾身会長は、衆議院厚生労働委員会に出席し、懸念を示しました。
新型コロナ分科会・尾身会長:「今の状況でやるというのは、普通はない、このパンデミック(世界的大流行)で。その状況のなかでやるということであれば、開催の規模をできるだけ小さくして、管理の体制をできるだけ強化するのは、私は五輪を主催する人の義務だと」
共産党・宮本議員:「やること自体が結局“第5波”を大きくしてしまう危険性があると思うが、どうか」
新型コロナ分科会・尾身会長:「そもそも今回のオリンピック、こういう状況の中で、一体、何のためにやるのか。目的。そういうことが明らかになってないので、このことを私はしっかりと、はっきりと明言することが、人々の協力を得られるかどうか非常に重要な観点だと思う。なぜやるのか。あるいは五輪委員会の人が、どれだけ汗をかくのか。そういうことが明確になって、初めて、一般の市民は“それならこの特別な状況を乗り越えよう”と。協力しようという気になると思うが、はっきりした、国なのか、オリンピック委員会が“なぜやりたいのか”。これは誰が決めるのかわからないが、関係者が、しっかりとしたビジョンと理由を述べることが、私は極めて重要だと思う」

また、別の委員会では、こう述べました。
新型コロナ分科会・尾身会長:「オリンピック開催にかかわらず、緊急事態宣言を出す『ステージ4』というレベル、これはなるべく避けるように、国、自治体、一般市民も努力する必要がある。地域の感染をどれだけ最小化するか、最大限の努力をするというのは、オーガナイザー(主催者)の当然の責任だと思う」

1日に小池知事が、代々木公園の会場をワクチンの大規模接種会場へ転用するとし、話題となったパブリックビューイングについて、こう述べました。
新型コロナ分科会・尾身会長:「スタジアムの中での感染のリスクより、地域コミュニティ、東京だけではなく、全国、この方がはるかに(感染リスクが)大きいというのが、私どもの専門家の考え。パブリックビューイングでは、当然、応援で声を上げて喜びを表すということもあるだろうし、みんなで一杯飲もうということもあり得る。場所はどこであろうが、わざわざリスクを高めることをやるのが、なかなか一般市民には理解できにくいというのが、我々、専門家の考え」

尾身会長の一連の発言を受け、厚生労働省の専門家会議・アドバイザリーボードでは、初めてオリンピックについて具体的な議論がされました。
厚労省アドバイザリーボード・脇田座長:「大きなイベントが行われることによって、国内の感染状況にどういう影響があるかということに関しては、しっかりリスク評価がされるべきであって、我々がやるかどうか、アドバイザリーボードがやるかということではなくて、オリンピックが国内の感染状況に与えるリスクに関する評価は、しっかりするべきという意見はあったし、私自身もそう思っている」

大会組織委員会は、約8万人の大会ボランティアのうち、これまでに約1万人が辞退したと明らかにしました。小池知事は2日の都議会で、オリンピック開催に向け、こう説明しました。
小池知事:「観客数にかかる判断は今月中に国内のスポーツイベント等における上限基準に準じることを基本に決定することとする。引き続き、総力を挙げ、感染の再拡大を防ぎ、徹底的に抑え込むため、現下のコロナ対策に全力に取り組むとともに、関係機関と連携・協力して安全安心な大会の開催に向け、着実に準備を進めていく。2020大会に向けた、さまざまなレガシーを発展させて、サスティナブル・リカバリー(持続可能な回復)を実現する」

また、小池知事は、築地以外の新たな大規模接種会場を検討するとしました。
小池知事:「ワクチン接種を、いかにスピード感を持って広げていくか。全体の免疫を確保する。その道に進んでいく。プラスになるような大規模接種会場、区市町村と連携が必要になるので、都としても後押していく。都が主体的に行うことを考えている。走りながら考えるところもあるが、スピード感を持って、確実にワクチン接種を進めることに他ならない」

テレ朝news
2021/06/02 23:30
https://www.youtube.com/watch?v=tigGSeaFSBs