立憲民主党の枝野幸男代表は23日、同党の富山県連大会にオンラインで出席し、「命を犠牲にしてまで五輪に協力する義務は誰にもない。命を犠牲にしてでも五輪に協力しろなどと迫る権限は誰にもない」と述べた。

 枝野氏の発言は、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「五輪の夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」と述べたとの報道を受けたもの。枝野氏は県連大会のあいさつで「国民の命を守ることを最優先にできないのであれば、五輪は延期なり中止をせざるをえない。そういう状況にあることをバッハ会長自身の発言で確信している」と強調した。

 一方、衆院選に向けては「無所属や国民民主党でともに戦っていただける皆さん、ほぼ決まりつつある候補者を合わせれば、小選挙区で定数の半分、つまり過半数を取りうる候補者をひとつのチームとして国民のみなさんにお示しして戦う構造はほぼ完成している」とし、政権交代をめざす決意を改めて示した。

 枝野氏はこれまで衆院選の擁立目標について「公認、またはそれに準ずる方で総定数の過半数を小選挙区で立てたい」と述べるにとどめており、連携して過半数の擁立をめざす党名には触れてこなかった。(吉川真布)

朝日新聞
2021年5月23日 20時09分
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