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処罰を撤回

写真:現代ビジネス

 韓国で「ある発表」が注目を集めている。5月4日の大統領府の会見、報道官が「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2019年に行われたビラ配布による侮辱罪に関して、処罰意思を撤回するように指示した」と発表した。

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 大統領が「処罰意思を撤回」…? いったい何が起きたのかと思う方も多いだろう。ことの経緯は以下の通りである。

 2019年7月、ソウルにある国会噴水の近くで、保守派青年団体「ターニングポイント」のキム・ジョンシク代表が、文大統領を批判したビラを散布した。すると、そのことが文大統領に対する侮辱罪にあたるとし、何者かがこの青年を告訴したのである。

 当初、告訴人が誰であるのか明らかにされていなかったが、韓国の刑法上「侮辱罪」は親告罪にあたり、告訴は文大統領本人か、文大統領に委任された者だけに限られる。そのため、文大統領本人が告訴したのではないかと推察され、かつ報道もされていた。

 マスコミが騒ぎ始めると、大統領府は文大統領の代理人が告訴状を提出したものの、文大統領本人は告訴に直接関与していないと釈明していた。代理人は大統領に委任された者なのだから苦しい弁明なのだが……。

 ともあれ、それが2年後の韓国与党「青年正義党」による告訴取り下げ要請を受け、冒頭の通り、大統領府による告訴取り下げの発表が行われたわけだ。と同時に、大統領本人が告訴していたことが明らかとなった。

 問題となったビラには、旭日旗をバックに「2020年応答せよ、親日派の子孫たちよ」(筆者註:“応答せよ”というのは、当時大流行したドラマのタイトルからとったものだと思われる)というスローガンが書かれていた。

 そのうえで、文大統領や今は亡き朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長らの父親が日帝植民地支配(日韓併合)時に行った親日行為について記述されていたのである。要するにこのビラは、文大統領を「親日派」として非難したかったのだ。

 また、ビラの裏には日本の雑誌(実話BUNKAタブー2018年5月号)の表紙を引用し「北朝鮮の犬、韓国大統領・文在寅の真っ赤な正体」とも書かれていた。

 ほかにも、ビラには様々な「進歩派」の人々への避難が掲載されていたが、文大統領については、以下のように記されている。

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文在寅大統領、父親の文龍炯(ムン・ヨンヒョン)は日帝強占期時、名門だった咸興(ハムフン)農高を卒業後、興南(フンナム)市役所農業係長・課長まで昇進? ----------
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(略)