https://news.yahoo.co.jp/articles/553143bcdd9cdc602240bd2808856b58a4e3b8d7
福島第一原子力発電所の処理水放出決定について、相変わらず韓国が騒がしい。ソウルの日本大使館前では自称学生団体による不法な座り込みが続き、数え切れないほどの自治体が日本政府を批難をしている。さらに韓国外務省はメキシコや中米諸国に「汚染水は隣接国だけでなく全世界の海洋生態系に回復不能の被害を及ぼす」などと言いつのる「告げ口外交」を展開。「放出計画は危険」との印象を振りまいている。

【画像】「処理水の影響は微々たるもので影響は無視できる」と結論づけた韓国原子力学会の報告書がこれだ

しかし、それに真っ向から反する報告書が、原子力を専攻する約5000人の専門家や学生らが参加している韓国原子力学会から発表された。
「処理水の影響は無視できる」

韓国原子力学会は4月26日、「日本福島原子力発電所汚染処理水放流に対する原子力学会の立場」との報告書を公表した。韓国では政府もメディアも処理水を「汚染水」と呼ぶ中で、「汚染処理水」と表記している点が注目される。

学会は日本政府の放流計画について「保管されている汚染水を浄化せず、全量を1年間で海へ放流するという非常に保守的な仮定」で科学的に影響を評価したという。日本政府は放射性物質を基準値以下に浄化した後に20〜30年かけて放流する計画だが、それらの計画が全く守られない、いわば「最悪のケース」を想定したというのだ。

その結果は「韓国海域に到達するまでの時間と、海水による希釈効果などにより、韓国国民が受ける放射線被曝線量は3.5×10-9mSv/年と予測された。これは一般人に対する被曝線量の限度である1mSv/年の約3億分の1で、無視出来る水準だ」というものだった。

IAEA(国際原子力機関)が監視する以上、こうした放出は行われ得ないわけだが、浄化もせずに一気に放出するという最悪のケースが起きたとしても、韓国への影響は「無視できる」レベルだという。その上で「科学的事実を冷遇したフェイクニュースと政治的な扇動が韓国国民と関連業界にどれ程大きな被害を与えたのかは、過去にあったBSE(牛海綿状脳症)と鳥インフルエンザ騒動の例を思い出せば簡単に分かる。当時、過度な恐怖で集団的パニック状態に陥った韓国国民が牛肉と家禽類の消費を極度に減らし、畜産農家と自営業者は深刻な苦痛を味わった」と指摘した。

国を挙げて処理水放出に反発する中、韓国の水産業には根拠の無い風評被害が広がりつつあり、その状況も痛烈に批判したのだ。

韓国の原子力安全委員会の専門家懇談会も、韓国政府の報告書の中で「海流により拡散・希薄化されるため、有意味な影響はないだろう」と同様の判断を示している。学会に所属する専門家による科学的な意見が明示されたわけだが、「これで一安心」とならないのが、韓国だ。
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(略)