五輪の開会式まで3カ月となった23日、開催都市・東京に緊急事態宣言が出されることが決まった。だが、五輪の実現を最重要課題とする菅政権は、宣言と開催の是非を切り離して大会に突き進む構えだ。

 菅義偉首相は宣言を決めた後の記者会見で五輪を開催するつもりか問われ、「IOC(国際オリンピック委員会)は東京大会を開催することを既に決定している」と強調。「安全・安心の大会にすることができるように対策をしっかり講じていく」と語った。

 1月に2度目の宣言を出した際、政権内からは「3度目の宣言が出たら、五輪は厳しくなる」(自民党幹部)との声が出ていた。だが、実際に再々宣言に追い込まれても、官邸幹部らは「五輪をやらない選択肢はない」「宣言は関係ない」などとして、五輪実現に強い意欲を示し続ける。

 五輪を「人類が新型コロナに打ち勝った証し」とたびたび強調してきた首相。政権幹部らは、その成功を次の衆院選への追い風にしたい考えだ。首相は16日の日米首脳会談では、バイデン大統領に「世界の団結の象徴として開催を実現する決意だ」と伝えた。

宣言期間も五輪と関係? 透ける思惑

 5月11日までの短期間とされた今回の緊急事態宣言も、五輪実現に向けたスケジュールと関係しているとの見方もある。

 立憲民主党の山井和則氏は2…

朝日新聞
2021年4月23日 21時33分
https://www.asahi.com/articles/ASP4R6WW7P4RUTFK01S.html