中国外務省の汪文斌副報道局長は19日の定例会見で、日米首脳会談後の共同声明で「台湾海峡の平和と安定」に言及したことについて、「台湾は不可分の中国の領土だ。中国は一切の必要な措置を取り、国家主権と安全、発展の利益を断固守る」とし、日米が関与を強める場合は対抗措置を取ることを示唆した。

 声明で香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に「深刻な懸念」を示したことについては、「人権問題では日米こそ負い目がある」と反論。日本の過去の侵略戦争や米国の21世紀以降の戦争を挙げつつ、「日米がすべきことは、自らの侵略の歴史と他国への人権侵害を反省して是正することであり、人権の看板を掲げて中国内政に干渉することではない」と断じた。

 共同声明全般については「日米は国際社会を代表しておらず、国際秩序を定義する資格も自らの基準を他人に押しつける資格もない」と指摘。「口では『自由で開かれた』と言いながら小グループをつくって対抗をあおることこそ、地域の平和と安定に対する真の脅威だ」などと批判した。

 日本には「周辺国や国際社会の懸念を直視すべきだ」とし、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出決定を取り消すよう改めて求めた。(北京=冨名腰隆)

朝日新聞
2021年4月19日 19時53分
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