新型コロナウイルスの感染が急拡大し、医療体制が逼迫(ひっぱく)している大阪府は、国や滋賀県に看護師の派遣を要請した。病床を増やすため、看護師の確保が課題となっていた。吉村洋文知事は19日、国などからの派遣を受け、来週にも「大阪コロナ重症センター」(大阪市)の全30床を運用できるとの見通しを示した。

 府内では、18日の重症者数が286人となり、確保できている248の病床数を上回る状況が続く。

 吉村知事は19日、記者団の取材に「国から、かなりの数の看護師の派遣の話がきている」と説明。府によると、国を通じて今週にも数十人規模の看護師を受け入れ、滋賀県からも来週には派遣が始まるという。これまで看護師が足りず、30床のうち18床しか運用できていなかった大阪コロナ重症センターで全病床を運用できるようになるという。

 山梨大付属病院は文部科学省から要請を受けて、大阪府に看護師1人を派遣することになった。派遣される集中治療部の山本雅弘さん(33)は、看護師歴11年で熊本地震などの災害派遣も経験している。19日に同病院であった壮行会で、山本さんは「怖さはあるが、一人でも多くの重症患者さんをみて、疲労困憊(こんぱい)している医療従事者の力になりたい」と語った。

朝日新聞
2021年4月19日 19時15分
https://www.asahi.com/articles/ASP4M6606P4MPTIL01P.html