愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動の不正署名事件で、リコール活動団体の田中孝博事務局長が昨年九月下旬に「ある団体が水増し署名を作ってくれる」と発言していたと、事務局幹部だった山田豪・元常滑市議が本紙の取材に証言した。山田氏も署名を水増しする計画の一部を知った上で、十月に白紙の署名簿を偽造場所へ運ぶための積み込み作業を手伝っていたことを明らかにした。
 不正署名を巡る本紙の取材では、名古屋市内の広告関連会社が昨年十月下旬に佐賀市内で多数のアルバイトを動員して大量の署名を偽造した疑いが明らかになった。同社宛ての発注書には田中氏の名前と押印があった。山田氏の証言によれば、この一カ月ほど前の段階で既に不正が計画されていた可能性がある。
 山田氏によると、昨年九月二十四日、田中氏から初めて「水増し署名」という発言を聞き、計画の一部を知った。山田氏は水増し署名を作るという名古屋市内の広告関連会社を不審に思ったため、昨年十月中旬に田中氏とともに同社社長と面談。面談後、田中氏に社長を信用してはいけないと忠告したが聞き入れられなかったという。...

中日新聞
2021年4月18日 05時00分
https://www.chunichi.co.jp/article/238597