麻生太郎財務相は16日の閣議後会見で、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、「WHO(世界保健機関)の基準の7分の1まで(放射性物質トリチウムの濃度を)希釈してある。そこが一番肝心。飲めるんじゃないですか。普通の話なんじゃない」と語った。

 政府は、海洋放出にあたり、処理水に含まれるトリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHOの飲料水基準の7分の1程度まで薄めるとしている。

 この点を踏まえ、麻生氏は、政府が海洋放出の方針を正式に決めた13日の閣議後会見で、処理水について「あの水を飲んでも何ということはない」と発言。中国外務省の報道官が「飲んでから言ってもらいたい」「太平洋は日本の下水道ではない」などと批判していた。

 これに関連し、麻生氏は16日の衆院財務金融委員会で、「じゃあ太平洋はあんたらの下水道か、みんなの海なんじゃないか」とも述べた。国民民主党の前原誠司・元外相の質問に答えた。前原氏は「政府のしかるべき人が証明して飲める水準のものを放出するんだと示すことも大事だ」と指摘。「私が与党にいたらおそらく飲みますね。ぜひ麻生大臣に(飲んで欲しい)というわけではないが、飲んで証明することを私はどなたかやられるべきだ」と訴えた。

朝日新聞
2021年4月16日 19時08分
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