リコール活動団体の旧事務所の家宅捜索を受け、団体の会長を務める美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は24日、本紙の取材に「すでに事務所を引き払った場所を今さらなぜ捜索するのか。びっくりした」と話した。

 家宅捜索が入ったビルは4階建てで、団体事務局によると、昨年6月から1階と2階部分を事務所として使用。今年1月に退去した。活動を支援した河村たかし名古屋市長の事務所が近くにあることから、高須院長は「(4月の)市長選の妨害になるのではないか」と影響を不安視した。
 団体事務局長の田中孝博・元愛知県議は「署名簿の押収などに続く一連の捜査と受け止めている。私も県警から要請があれば捜査に協力する」と語った。

 河村たかし名古屋市長も同日、報道陣の取材に「厳しく、なるべく早く、粛々と捜査を進めていってほしい」と述べ、早期の真相究明を望む考えを示した。河村市長によると、家宅捜索された旧事務所は市長の知人男性が事務局に紹介。市長本人や市長の事務所は仲介していないと説明した。
 高須院長、田中事務局長、河村市長はいずれも、署名偽造への関与を否定している。
 一方、愛知県の大村秀章知事は記者会見で「極めて悪質な犯罪行為であり、捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に処断してもらいたい」と求めた。

東京新聞
2021年03月24日 22時11分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/93558