立憲民主党など野党は、全日本私立幼稚園連合会(東京都千代田区)で多額の使途不明金が発覚したことを受け、自民党との関わりを追及する方針だ。同連合会は同党の支援団体の一つとされており、使途不明金の一部が政界に流れた可能性を含め実態解明を進める。
 立憲の安住淳国対委員長は10日、自民党の森山裕国対委員長と会談し、「連合会が自民党を一生懸命応援している団体であることは皆さんよく分かっている。われわれとしては実態解明を徹底的にやらせてもらう」と伝えた。
 立憲、共産、国民民主3党は直ちに合同チームを発足させ、文部科学省担当者からヒアリングを実施。この中で立憲の原口一博国対委員長代行は「任意団体だから政治献金や選挙活動は自由だ。(資金が)結果として、自民党に流れていることはないか」とただした。
 これに対し、文科省側は「監督権限がない。(連合会の調査を)注視したい」と返答するにとどまった。
 現時点で使途不明金と自民党を結ぶ根拠があるわけではないが、野党側は総務省や農林水産省の幹部接待問題に加え、政権を揺さぶる材料になり得るとみて、独自調査を展開する構えだ。
 自民党は今回の問題が飛び火することを警戒している。同連合会と関連のある全日本私立幼稚園PTA連合会長の河村建夫元官房長官は記者団に、PTA連合会でも今年度決算で4100万円の使途不明金が発覚したと公表。「(関係者の)告訴を含めきちんと対応する」と強調した。
 文科相経験者の下村博文政調会長も記者会見で「あってはならない不祥事だ。全容解明に努めてもらいたい」と述べた。

時事通信
2021年03月11日07時06分
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