公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参院議員の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙(4月8日告示、25日投開票)について、元検事の郷原信郎弁護士(66)は9日、「再選挙を巡る状況を把握したうえで立候補しない判断に至った」と述べた。不出馬の意向表明を受け、擁立を検討していた立憲民主党は候補者の人選を急いでいる。

 オンラインで記者会見して表明した。郷原氏は立候補に向けた立憲との協議を認めたうえで、不出馬に至った経緯を説明。2019年参院選を巡る大規模買収事件で、河井元議員らからの現金授受を認めた地方議員らが選挙運動に携われば「公正な選挙が全く期待できない」などと指摘した。

 再選挙を巡っては、自民党が元経済産業省官僚で新人の西田英範氏(39)の擁立を決定。NHK受信料を支払わない方法を教える党の職員で新人の山本貴平氏(46)も出馬意向を示し、他の党も公募するなど候補者擁立を検討している。【賀有勇、小山美砂】

毎日新聞
2021/3/9 20:10
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