2日午前の衆院予算委員会での締めくくり質疑で、丸川珠代五輪相が答弁を拒否し、審議が一時中断する場面があった。

 新型コロナウイルスへの中小企業や低所得者支援策として、自民党の若手・中堅議員70人以上が先月、持続化給付金の再支給と生活困窮者への10万円の特別給付金などを求める署名を集め、下村博文政調会長に要望した。立憲の泉健太氏は、その署名に大臣就任前の丸川珠代氏も加わっていたことを指摘した。

 泉氏は「野党がこれまでずっと言ってきたこと。閣内でも丸川氏が署名されていたということで素晴らしい。その思い、決意を語っていただきたい」と求めた。

 これに対し、丸川氏は「所管外の事項なので、私からお答えすることは差し控えたい」と答弁を拒んだ。野党から批判の声があがり、審議が一時中断。再開後、泉氏が改めて答弁を求めると、丸川氏は「私には私個人の考えがあるけれども、今は閣内にいるので内閣としての方針に従って、仕事に取り組みたい」と述べるにとどめた。

 そこで泉氏は首相に対し、「内閣の方針は総理、生活困窮者の給付金、そして持続化給付金の再開しないというのが内閣の方針なのか」とただした。首相は新たな一時金の支給などに取り組んでいるとし、「昨年の持続化給付金を再支給することは考えていない」との考えを改めて示した。

「丸川氏はアジアンビューティー」自民議員の発言にざわめきも

 丸川氏はアジアンビューティー――。質疑の冒頭では、自民の鬼木誠氏が質問の中で、丸川珠代五輪相の容姿に触れながら称賛し、委員室がざわめく場面があった。

 鬼木氏は、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の2015年の採択をめぐり、当時環境相だった丸川氏とフランス・パリを訪問した際の話を披露。鬼木氏は当時、環境大臣政務官で、丸川氏は「上司」だった。

 鬼木氏は、パリ協定の採択に向けて、「当時の丸川珠代大臣。国際的な交渉を重ねた当時の思い出、ご苦労、また脱炭素に向けての考え、今の気持ちをお聞かせください」と質問した。

 丸川氏は「当時の鬼木政務官には実務者のトップと交渉してもらって重要な役割を担ってもらった。この場を借りて心から感謝を申し上げたい」と答弁。

 これに対し、鬼木氏は「丸川大臣はパリにおいて各国の大臣クラスの方々とマルチやバイ会談を進め、共通の利益のために世界が一つになる下地を作った」と称賛。さらに「各国首脳からもアジアンビューティーと呼ばれ、大変人気があったという話も現地で聞こえておりました」と述べた。

朝日新聞
2021年3月2日 11時42分
https://www.asahi.com/articles/ASP323PSWP32UTFK00B.html