東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視と取れる発言の責任を取って会長職を辞任する意向を固め、川淵三郎氏(84)が後任の会長職を引き受ける意向を示したことが関係者への取材で分かりました。

関係者によりますと東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長職を辞任する意向を固めた森氏の都内の自宅を11日午後3時前に初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏が訪問し、およそ1時間にわたって会談しました。

この席で森会長が川淵氏に対し会長職の後任をお願いしたいと打診したところ、川淵氏は了承するという趣旨の返答をしたということです。川淵氏は12日開かれる組織委員会の緊急会合に森会長とともに出席する予定です。

川淵三郎氏の経歴

川淵三郎氏は大阪府出身の84歳。

現役時代は、フォワードなど攻撃的な選手としてプレーし、日本代表では1964年の東京オリンピックなどに出場し、現役引退後は代表監督も務めました。

その後は日本初のプロサッカーリーグ、「Jリーグ」の立ち上げに尽力し、1993年にスタートしたリーグトップの初代チェアマンに就任。

「百年構想」という地域スポーツの振興を掲げて、全国各地へのJリーグクラブの設立を進めるとともに2002年のワールドカップ日韓大会の招致に成功したほか、日本サッカー協会の第10代の会長として、競技の普及と強化に力を入れてきました。

また、サッカー界だけにとどまらず、2015年には日本バスケットボール協会の会長に就任し、分裂していた男子リーグの統一のために改革を推し進めBリーグをスタートさせ、国際試合禁止の制裁の解除を実現するなど、バスケットボール界でも強いリーダーシップを発揮しました。

現在は球技の国内リーグでつくる日本トップリーグ連携機構の会長を務めています。

組織委員会では評議員会の議長を務め、ことし夏の東京大会では選手村の村長を務めることになっています。

NHKニュース
2021年2月11日 17時02分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210211/k10012861391000.html