2019年7月の参院選広島選挙区をめぐり、公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法相で衆院議員・河井克行被告(57)の公判が9日、東京地裁であった。会計担当者の供述調書を検察側が読み上げ、買収罪の対象とされた3人の陣営スタッフへの計約220万円は、自民党本部から支出された1億5千万円が原資だったとの説明を明らかにした。

 1億5千万円のうち、1億2千万円は税金が原資の政党交付金だった。党本部からの資金が買収に使われた可能性を示す証言が明らかになったのは初めて。

 調書によると、会計担当者は克行議員の指示で、党本部からの資金を管理する専用口座を開設。そこから資金を引き出し、3人の陣営スタッフに「給与」として計約220万円を振り込んだという。

 3人のうち1人は、受け取った現金の違法性を認めている。ほかの2人の証人尋問は今後行われる。

朝日新聞
2021年2月9日 14時19分
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