「弁明に終始した恥ずかしい会見。しゃべるたびにひやひやした」。東日本大震災からの復興五輪を理念に掲げる大会で聖火ランナーを務める福島県鮫川村の団体職員、阿久津光市さん(61)は、テレビで見た森喜朗氏の会見に失望を隠さなかった。
 海外でも大きく取り上げられた問題発言が、3月に迫った聖火リレーに影響することも懸念。「ランナーを辞退する人が相次いでもおかしくない。あまりに無責任だ」と語気を強め、「歯切れの良い若い人にリーダーシップを取ってほしい」と辞任を求めた。
 宮城県オリンピック・パラリンピック大会推進課の担当者も「みんなが喜ぶような五輪にしたいと思っているが、発言で一部の人が不快な思いをするのは残念だ」と落胆した。森氏が真剣に反省している様子は感じられないと話し、「言ってしまったことは消せない。発言には気を付けてほしい」と求めた。
 「明らかに女性蔑視だ。世界的にも恥ずかしい」と話すのは、NPO法人ジェンダーイコール(東京都)代表の田渕恵梨子さん(41)。森氏の釈明に、「発言の何が悪かったか分かっていないのだろう。ただただ時代に合っていない」と感じたという。
 その上で、「ずれている人をトップとして黙認していることが問題。蔑視発言は許されないと国内外へ示すためにも、会長を辞任するべきだ」と訴えた。

時事通信
2021年02月05日07時07分
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