https://news.yahoo.co.jp/articles/179eb279608ee082adb99d2ae72f72cc61832d75
新型コロナウイルスのワクチン接種を希望するかどうか、「女子高生」に限定してアンケートしたという記事が、「ワクチンの不安や副作用を煽るような内容だ」という批判を集め、その後削除された。もともとはオリコンニュースが配信した記事で、毎日新聞や朝日新聞、中日新聞など他社サイトも転載。なかでも毎日新聞のTwitterで拡散し、同社は釈明に追い込まれた。ワクチンをめぐっては、専門家からHPVワクチンの教訓を踏まえ「リスクコミュニケーション」の必要性が強調される一方、一部メディアでは不安を煽ったり、有効性を否定したりするような報道も散見されている。【BuzzFeed Japan / 籏智 広太 】

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批判を浴びたのはオリコンニュースの【新型コロナワクチン、6割超「受けたくない」 女子高生100人にアンケート】という1月20日の記事。

調査会社を通じて女子高生100人に対し、「コロナウイルスのワクチンが日本で利用可能になった場合、早期に接種を受けたいですか?」とのアンケートを取った結果、 「受けたい:34人」「受けたくない:66人」という結果が出た、と伝えた。

さらにその理由として、「副作用」「安全なのかわからないから」が多かったと紹介。「本当に効果があるかわからない」「まだ信用できない」「打っても変わらないと思う」などという意見も掲載している。

一方で、エビデンスを踏まえたワクチンの有効性には触れておらず、「政府が臨床試験を重ね、安全性を確保してから接種を開始することは間違いないが、不安な気持ちはぬぐえないということだろう」などと、副作用を強調した記事となっていた。

この記事はオリコンの自社サイトだけではなく、毎日や朝日、中日など複数のメディアのサイトが掲載。そのうち毎日新聞が自社Twitterで「女子高生100人にアンケート、6割超が新型コロナワクチンを受けたくないと答えました」と発信したことで、拡散、批判が集まった。

副作用への不安を一方的にあおる「反ワクチン」のような内容とも捉えられることから、「多くの人命が危険にさらされる」「感染拡大防ぎたいなら、不安煽るより安全性の報道を」「なぜ女子高生限定の調査なのか」などという声が相次いだ。

医療者からも声があがっている。たとえば産婦人科医の宋美玄さんは、自らのTwitterで以下のように批判している。

「コロナワクチンについて充分な情報提供もなしに取ったアンケートをニュースにすることに何の意味があるのか。 目先のページビューは稼げるかも知れないが、世界中で日本だけコロナを克服できない未来にしたいのだろうか」


(略)