元農林水産大臣の吉川貴盛衆議院議員に現金500万円を渡したなどと説明している大手鶏卵生産会社の元代表が、ほかにも西川公也元農林水産大臣や複数の国会議員などに現金を渡したと周囲に説明していることが関係者への取材で分かりました。

西川元大臣は、3年前から内閣官房参与を務めていましたが、8日、「一身上の都合」を理由に退職しています。

広島県福山市に本社がある大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」は、ことし7月、河井元法務大臣夫妻の選挙違反事件の関係先として検察当局の捜索を受けていて、この会社の元代表が元農林水産大臣で自民党の吉川貴盛衆議院議員に対し「大臣在任中のおととしから去年にかけて3回にわたって合わせて現金500万円を渡した」などと周囲に説明していることが明らかになっています。

元代表は、家畜の飼育環境の国際基準の策定などについて、国会議員や農林水産省に陳情や要望活動を行っていましたが、元代表がほかにも西川公也元農林水産大臣や複数の国会議員などに現金を渡したと周囲に説明していることが関係者への取材で分かりました。

西川元大臣は、平成26年9月から農林水産大臣を務めましたが、翌年2月、政治資金をめぐる問題で辞任しました。

3年前の平成29年に安倍内閣で内閣官房参与に任命され、菅内閣でも農林水産業の振興について助言を得たいとして再任されましたが、8日、「一身上の都合」を理由に退職しました。

NHKは、現金提供の有無について西川元大臣の事務所に文書で質問していますが、これまでに回答はなく、9日の取材に対しては、「本人が不在でコメントできない」としています。

NHKニュース
2020年12月9日 15時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201209/k10012754611000.html