政府が米軍艦載機の訓練移転先として鹿児島県西之表市の馬毛島に計画する自衛隊基地建設に向け、同県の塩田康一知事が周辺海域での海上ボーリング調査を許可したのは違法として、隣接する種子島の漁業者ら約20人が18日にも、知事に対して許可取り消しを求める行政訴訟を鹿児島地裁に起こすことが8日、関係者への取材で分かった。訓練移転の反対運動は、法廷闘争に発展する。

 馬毛島周辺は、トビウオやカツオ、特産の貝トコブシなどの好漁場。関係者によると、行政訴訟で漁業者らは、ボーリング調査により海中環境が変化し漁獲が減少する恐れがあるのに、知事は十分考慮せずに許可したと主張する。地元漁協の同意を得る手続きも不十分だったと訴える。

 馬毛島は、種子島の西12キロにある無人島。政府は島全体を自衛隊基地として整備し、米軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)を受け入れるとともに、対中国を念頭に置いた展開拠点とする計画を進めている。

 ボーリング調査は馬毛島東岸の37地点で、今月から来年5月末まで実施する予定。塩田知事は11月27日に、防衛省の申請を許可した。(湯之前八州)

西日本新聞
12/8(火) 12:33配信
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