毎日新聞2020年12月8日 07時00分(最終更新 12月8日 07時00分)


 安倍晋三前首相側がホテルに支払った費用の一部を補塡(ほてん)していたことが分かり、再び注目を集めている桜を見る会「前夜祭」。今年2月17日の衆院予算委で、ホテル側と安倍氏の説明の食い違いを指摘し、安倍氏を追い詰めた辻元清美衆院議員(立憲民主党)に、現在の思いを聞いた。【大場伸也】

ANAホテルからの回答
 ――2月17日の質問は印象的でした。

 ◆私は「桜」の質問を予算委で2回しています。1回目は2月3日。参加者個人がホテルと契約し、明細書なく白紙の領収書を参加者に切る、収支報告書にも載せなくていいという発言を安倍さんは繰り返していました。それを「安倍方式」と名付けて「脱法行為」じゃないかと問いかけました。すべての地方議員や国会議員がやっていいと勧めるんですかと聞いたら「やっていい」と。この答弁には驚きました。

 17日にまた予算委で質問することになりましたが、私は「桜」を質問する予定はなかったんです。でも、どうしても「安倍方式」に納得がいかなくて、2013、14、16年に前夜祭が開かれたANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)の代表電話に秘書が14日金曜に電話して、ご担当につないでいただいた。金曜に質問を文書で送ったら、その日のうちに安倍さんの答弁を真っ向から否定する回答が文書で来たので、身震いがしました。

 以下、2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティー・宴席についてお伺いします。

Q1 上記について、貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか。

A ございません。主催者に対して、見積書や請求明細書を発行いたします。

Q2 上記について、個人・団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースがあったでしょうか。

A ございません。弊ホテルが発行する領収書において、宛名を空欄のまま発行することはございません。

 ◆その週末に立憲フェスという党のイベントがあったんですが、もう立憲フェスは上の空で、どう質問しようかと考えているうちに、もう2問ダメ押しで聞きたいと思って、週末にもう1問、月曜朝にさらに1問作ってホテルにメールしました。

 17日午前11時10分から質問開始で、ANAホテルから追加の答えが来たのが10時40分。全部誠意を持って対応してくれた。安倍さんが国会で明細書はないとか、ホテルが宛名のない領収書を発行しているとか答弁していたのは、ホテルの名誉にもかかわるから、困っていたと思うんですよね。予算委で資料をオープンにするのもすぐにOKしてくれたことからも、相当、腹をくくっていたと思います。きっぱりと毅然(きぜん)とした態度を取ってくれたから、本当に敬意を持っています。

 以下、2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティー・宴席についてお伺いします。

Q3 ホテル主催ではない数百人規模のパーティー・宴会で、代金を主催者でなく参加者個人一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://mainichi.jp/articles/20201207/k00/00m/010/229000c