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2020/11/11(水) 20:58:14.35ID:CAP_USER9現役学生のひとりはこう話す。
「最初に学内の感染者が判明した後、学生舎で感染者と同じ部屋だった学生や、校友会(いわゆるクラブ活動)で一緒だった学生らが、濃厚接触者として隔離されました。その後、保健所の協力を得て感染者の周辺にいた学生たちがPCR検査を受け、それ以外の学生たちにも抗原検査が実施された結果、約80人の陽性者が確認されたと聞いています」
全寮制の防衛大では4学年の約2000人が敷地内の学生舎で寝食をともにする。上級生から下級生まで8人単位を基本とした居室で生活を送るため、“密”を避けがたい状況があり、無症状の感染者が出れば感染が拡大しやすい環境だ。3月から4月にかけて約200人の感染が判明した永寿総合病院(東京・台東区)に迫る、国内最大規模のクラスターとなることも懸念される。防衛大のある教官はこう証言する。
「最初に陽性が判明した学生は10月初旬以降、防衛大の敷地内から外出していないといい、そうなると学内に別の無症状感染者がいて、そこから感染が広がったと考えざるを得ない。感染ルートがはっきりしていない以上、どこまで広がっているのかは慎重に確認していかないといけない」
防衛大は取材に対し、「現段階では陽性者1人が出たと発表している。今後、感染者が増えた場合の発表は自治体(横須賀市)に準じる」(広報室)とするのみで、80人以上のクラスターになっているのかという質問には答えなかった。
「学生たちからは、本当に感染者を完全にスクリーニングできているのか不安の声が聞こえてきます。にもかかわらず、クラスター発生の判明後、まだ全員のPCR検査結果も出ていないうちから、学生たちが所属する各大隊では400人ずつが密になる朝礼をいつも通り行なうという話も聞いた。対応には相当の疑問を感じます」(前出・防衛大教官)
もともと、防衛大ではコロナ対策が適切だったのかが問題化していた。4月から5月にかけての緊急事態宣言下では、全国のほとんどの大学がオンライン授業を行ない、いまも多くの大学で対面授業の再開は限定的な状況だ。しかし、防衛大ではシステム上の理由からオンライン授業を行なうことができず、授業も訓練もないなかで、学生たちが敷地内の寮に“軟禁状態”とされてきた経緯がある。密を避けがたいストレス過多の寮生活が続いたことで、学生たちの脱柵(脱走)や自殺未遂、年度途中での退校者が相次ぎ、賭博行為なども発覚した。防衛大関係者が語る。
「防衛大の内部にも、コロナ対応がおかしいと進言する人はいました。衛生課に所属するA医官は、新型コロナの流行初期に感染拡大を懸念し、学生たちを学内の寮に留め置くのではなく、親元に帰すよう進言していました。しかし、幹部に聞き入れられることはなかった。その後の学内での混乱や今回のクラスター発生を考えれば、進言は非常に適切なものだったわけですが、國分良成学校長ら執行部の方針に反する意見を口にしたA医官には、8月1日付で自衛隊中央病院への異動が言い渡されたのです」
A医官は学内職員向けに「産業衛生ニュース」と題したニュースレターを発信しており、異動の直前にあたる7月21日付のニュースレターでは、〈新型コロナや余りにレベルの低い衛生課の現状を改善しようと2年頑張るつもりでいましたが、学校人事権者の意向でこのような結果となりました〉などと不本意な異動を命じられた経緯を明かしている。
「A医官は、医務室などでの感染症に対する隔離措置が適切になされていないという問題意識も持っていて、その改善に取り組もうとしていたが、異動で果たせなかった。ニュースレターではそのことについても、〈(改善策を)マニュアルの形で提供する予定でしたが、今月中に完成できませんでしたので、計画中止といたします〉と無念を滲ませていた。今回、陽性と判明した学生らは、まさにその医務室のある棟に隔離されている。残念でならない」(同前)
異論を口にした人間が異動を命じられる一方、宴会や会合への参加を厳に慎むよう求める防衛大臣通達に反するかたちで、國分学校長を含む複数の防衛大幹部が10月に飲酒を伴う数人の会合に参加していたことが発覚。現場の教官からも疑問の声があがっている。
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NEWSポストセブン
2020.11.11 15:00
https://www.news-postseven.com/archives/20201111_1611816.html