改善の兆しなし

 菅義偉首相が安倍晋三前首相に引き続き、毎日の「ぶら下がり」と呼ばれる囲み取材に応じない構えを見せている。前政権は新型コロナウイルス対応や「桜を見る会」疑惑などで説明不足が指摘されたが、改善の兆しは見えない。

 毎日のぶら下がり取材は小泉純一郎元首相時代に始まり、端的な言葉で重要政策を伝え、国民の支持を得る武器にした。歴代政権が受け継いだが、民主党政権の菅直人元首相が2011年の東日本大震災の対応を理由に休止。その後も復活せず、記者団が求めた場合に、首相側が応じるかどうかを判断する形となった。安倍氏は応じないことが多かった。

「桜を見る会」質問も表情変えず官邸去る

 官房長官として毎日2回の記者会見をこなしていた菅氏は首相就任後、一夜明けた17日朝こそ心境を語ったが、その後は受け付けていない。

 18日夜には記者から、逮捕された「ジャパンライフ」元会長が桜を見る会の招待状を宣伝に利用したとして受け止めを尋ねる質問が飛んだが、表情を変えず官邸を後にした。

 また16日の就任会見では、30分間のうち15分を冒頭の説明に充て、質問希望者が残る中で打ち切った。

 新内閣が発足して初の週末となった19日も首相は官邸に入った。日課だった散歩を敷地内で行い、20日予定の日米首脳電話会談に向けて外務省幹部らと準備。記者団の取材に答える場面はなかった。

北海道新聞
9/20(日) 6:35
https://news.yahoo.co.jp/articles/79b1a01418d16f698960920b62651b65486fc10e