自民党の総裁選が告示され、ポスト安倍の座を争う選挙戦がスタートしました。立候補した石破元幹事長(63)、菅官房長官(71)、岸田政調会長(63)の3人に聞きます。

【“森・加計・桜”負の遺産】キーワード:再調査・官邸主導
「安倍1強時代」に表面化した不祥事・疑惑で、根深い政治不信は払拭されていません。報道ステーションの世論調査で、森友学園問題の再調査を求める声が7割以上に上っています。しかも「僕の雇用主は日本国民。だから国民の方を向いて働く」と言っていた公務員が命を落としました。

※再調査はするのか
菅氏:「まず、お亡くなりになられた方に対しては、心からお悔やみ申し上げたいと思います。再び、こうしたことはあってはならないと思う。そういうなかで、財務省でも徹底して調査をして、処分もしっかり行っている。そして、検察による調査も行われていて、結果も出ている。(再調査は必要ない)方向だ。2度と再び起こらないよう、しっかり行うべき対応をするべき」

石破氏:「必要なら再調査をする。『信なくば立たず』と総理はよくおっしゃいる。そして、『政治は結果だ』と言いますが、私は必ずしもそうは思わない。納得してないという人が75%、80%いるわ。私は、納得してもらう努力は、最大限していかないと政治が機能しないと思う。政権の中にいないからわからないけど、必要であるということなら、新しい事実があるということならば、それはやらなきゃいけない。そして、大勢の人が出世していく、でも、『雇い主は国民なんだよね』という人が、悩みに悩んで命を絶っていく。それは、官僚のモチベーションを下げる。真面目にやった人の命を絶つ。そんなことあってはならない。必要であればやる」
菅氏:「まず財務省で調査をして、財務省としても処分をしている。さらに検察が、この捜査をして、その結果も出てる。そういうなかで、2度とこうしたことを起こすことがないよう対策を講じるというのが、政府の役割だと思う」


※安倍政権は官僚は官邸を見て仕事をしていたのか
石破氏:「そうであってはいけない。だから、常に国民の側も行って仕事すべきだ。私は大臣当時に『大臣、それ間違いですよ』という人しか秘書課にしなかった。それは、私の方を見ているのではなく、国民を見る。そういうのが官僚。誰に対して忠実であるべきか。それは国民であって政権ではない。今はどうのこうのって言っていない。外から見たようなもの言い方を断定的にはしない。そうあるべきものだ。もし国民が、そう思っていないのであれば、それを正していくのが、政治の責任。当たり前」

菅氏:「『官邸を見てる』とよくマスコミにも書かれるけど、私はそうでないと思う。確かに官邸を、見ている人がいるかもしれない。しかし、所管の大臣が反対する物を官邸で変えろということはできない。また、するべきではないと思う。人事を行うとき、原案を書くのは省庁の大臣。しかし、それについて、私どもが発言があれば、大臣と話して、納得しない人事をやらない。だから、官邸主導で、何でもできるようなことよく言われているけど、そういうことはやるべきではないし、仕組みとしてもできない」

岸田氏:「人事と官邸が、少なくとも幹部官僚については、人事を握っている。こういった状況について、制度を考えたら、省庁、縦割りを超えて働く公務員を作る趣旨はあったはず。しかし、結果として、今、忖度が国民の中から疑われている。こういった疑念が広がっている。このことは深刻なことだと思う。だから、透明性やルールを真剣に考えないと、官僚組織の信頼、ひいては、政府の信頼を損なっていくことにつながってしまう。透明性やルール作りを通して、国民に対するしっかりとした説明責任を果たしていく制度にしていかないといけない」

※解散総選挙について
菅氏:「かねてから、解散についてよく質問されている。国民の皆さんが今一番やってほしいのはコロナ。1日も早く終息して、安心して生活ができるというのが、国民の声だと思っている。だから、こういう状況では、解散とかということではない。今は、ピークより下がり始めたという見解を専門家が示しているけど、やはり、まだまだ国民の皆さんは怯えている、1日も早い安心して生活をする。日常を戻すというか、取り戻す環境を整えるのが、政府の仕事だと思っている」

テレ朝news
2020/09/08 23:30
https://www.youtube.com/watch?v=esW28WLucVk