9月に入り、相次いで台風がやってきている。「特別警報級」の台風10号も5日以降、沖縄や九州に近づくとみられ、気象庁は「4日のうちに備えを終えて」と呼びかける。今年も本格的な台風シーズンとなり、十分な対策が求められる。

 台風の接近前にどんな備えをしておけば良いか。

 防災啓発に取り組む全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と「FUKKO DESIGN」は台風接近の前日までにできる準備をウェブサイトで紹介。薬、飲料水などの備蓄品や非常持ち出し品の確認のほか、車のガソリンを満タンにしておくことや、停電に備えてスマホやパソコンを充電しておくことも勧めている。

 日本気象協会もサイトで浸水や断水への備えを紹介。家財道具や家電は2階に移動させておき、浴槽には水を張ってトイレなどの生活用水を確保しておく。

 暴風対策では、家の周りで飛ばされそうなものを固定したり、室内に片付けたりする。窓ガラスはテープなどで補強する。

 同協会九州支社の気象予報士、松井渉グループリーダーによると、台風10号は過去最大級の暴風になるおそれがあるという。屋根瓦や看板など、通常の台風では飛ばない重い物や大きな物でも飛散しやすくなり、窓ガラスを破って屋内の人が死傷する可能性もある。「マンションなど雨戸がない場合には、カーテンを閉めてできるだけ窓から離れて過ごすなど、いつもの台風以上の備えが必要。台風が近づけば暴風と大雨で避難は難しいので、早めの備えと行動が重要だ」と呼びかけている。

 新型コロナ禍でも危険な場所に住む人は迷わず避難することが重要だ。松尾一郎・東京大客員教授らは避難先での感染防止のための非常用持ち出し品のリストを公開。アルコール消毒液や使い捨てビニール手袋、体温計も備えるよう勧めている。(竹野内崇宏)

朝日新聞
2020/9/3 23:28
https://www.asahi.com/articles/ASN937HM1N93UTIL026.html