「教育も医療も介護も、地方に行っても不安がないということをきちんと示すことだ。奥さまが一緒に来てくれない。『行きたきゃ、あなた1人で行ったらいいでしょう』ということで、断念する方もいる。コロナの収束の度合にもよるが、飛行機でも電車でも、移住された方にクーポンを出すことも可能だ。東京に建てた家をどうするのかということがある。空いた部屋を貸す。そこに若い方々が入る。

 みんなが定年まで勤めるわけではない。40代、50代で地方に帰りたい人はいるのではないか。そういう人たちに地方に帰ってもらうための政策、そのための優遇政策。なぜ移住は進まないのかの原因を一つ一つ取り除いていけば、移住というのは、決して夢ではないと考えている。

 女性の能力を最大限にいかすことを本当にやっているか。女性が望むサービス、政策、予算は何かということは女性が入らないと分からない。クオータ制について、私は逆に不公平をもたらすのではないかと懸念をもっていたが、そこまでやらないと無理かもしれない。

 フランスでやっているように、国会議員に立候補するときは男女ペアで立候補するという考え方もある。女性の能力を最大限に活用していかないと、この国のGDPを維持することはできない。付加価値を高めることもできない。そのために、なぜこうなっているのかという原因をきちんと解明して、それへの対応を実行するということが喫緊の課題だと認識している」

 −−選挙戦を前に菅義偉官房長官への流れが作られている感があるが、所感は。新総裁に選出されたら早期に衆院解散・総選挙を行うつもりはあるか

 「党員のモチベーションが下がることはとても心配だ。『離党するよ』とか『党費払わないよ』という声をずいぶんと聞いているが、そういうことがあってはならない。自民党員になってよかったと思っていただくため、党員投票をやるべきだったと思う。これをどうリカバリーするかは真剣に考えていかないと、来るべき国政選挙に多大な影響を及ぼすだろう。野党がバラバラだから大丈夫だという慢心を持つべきではない。

 内閣の意思と衆院の意思が異なったときに、主権者たる国民の判断を求めるのが解散であって、憲法上の根拠というのはそういうものだ。内閣不信任が可決された場合、信任案が否決された場合。それに類似するものとして予算案が否決されたとか重要法案が否決されたとか、要するに主権者たる国民の判断を仰ぐというときに、解散権が行使されるべきものだ。党利党略でやるべきものではない。


 新総裁、新総理のもとでどういう状況が現出するかは今から分かることではない。しかし、世論調査を見ても、任期いっぱい務めよという声が多いということは決して看過してはならないことだ。新総理が賢明に判断すべきものだと思っている」

産経新聞
2020.9.1 23:12
https://www.sankei.com/smp/politics/news/200901/plt2009010083-s1.html