0001クロ ★
2020/09/02(水) 11:05:05.27ID:CAP_USER9しばらくグローバル経済は停滞せざるを得ない。21世紀は、日本の人口は半分に、世界の人口は倍になる。一言で言ってしまえば、そういう時代になる。
アベノミクスには評価すべき点はたくさんある。株は上がった。企業の業績も好調だ。いいことだ。
しかし個人の所得が伸び悩んでいる。そのことも明らかな事実だ。生活保護の受給者の数は昭和25年と同じ水準になっている。そのことも厳然たる事実だ。
いかにして消費性向の高い、低所得の方々の可処分所得を上げていくか。国内総生産(GDP)の大半を個人消費が占めるわが国の経済において、いかにして消費性向の高い方々の所得を上げていくかを考えていかなければならない。
消費税について言えば、単にそれを下げればいいということを申し上げているのではない。景気の変動に影響されにくい安定財源として、医療、介護、年金、子育て、社会保障に使われる消費税の必要性は、私は高く認めるものだ。
しかしながら、消費税が導入されたとき、経済はまだ活況を呈していた。人口もこのように急減するような状況ではなかった。(今の)日本の状況は違う。消費税の果たすべき役割をもう一度検証する。
低所得の方々に逆進性の影響が及ばないようなやり方はないのか。法人課税のあり方をどのように考えるか。医療、年金、介護のあり方をどのように見直すのか。そのときに必要になるのはクオリティー・オブ・ライフ。一人一人の人生がいかにして実現されるかということだ。
医療をどのように見直すか。国民皆保険制度は絶対に守っていかねばならない。しかし導入されたとき、それは結核と労働災害が主な対象で、今はがんであり成人病であり、認知症といわれる、そういう病気だ。対象とする疾病が変わってきた。それぞれどう対応するかを考えていかねばならない。
どの地域においても高度な医療が提供されるというのはどういうことなのか。そこにおいてAI(人工知能)をどう活用するべきなのか。どの地域においてもAIを使って高い医療が受けられる。そういうものを実現することも必要なことだ。
潜在力のある産業を伸ばしていかねばならない。農林水産業だ。サービス業だ。女性の能力を最大限に活用することだ。中小企業が持っている力を最大限に活用することだ。
交通ネットワークが発達し、新幹線が走り、高速道路が張り巡らされ、航空路が充実し、情報ネットワークが発達する。すればするほど一極集中が進む。これはどういうことか。国の在り方そのものを変えていかねばならない。
わが国は江戸時代、天下泰平を目指してきた。これではいかんということで、明治維新以降、富国強兵、殖産興業。それを実現するために東京一極集中は大きな効果を発揮した。半世紀足らずで日本は世界の大国の一つになった。
第2次世界大戦の敗北で徹底的にそれは打ちのめされた。戦後、わが国が目指したのは、もう一度経済を成長させねばならん、共産主義革命を起こしてはならんということだった。
さらに東京一極集中は加速した。政治、経済、文化、メディア、あらゆるものが東京に集中してきた。1968年、昭和43年、西ドイツを抜いて世界第2位の経済大国になった。わずか二十数年でそれを成し遂げた。東京一極集中、それは非常に効果的なものであったが、継続、持続できるものであったか。そうではない。
今日は防災の日だが、首都直下地震、火山の爆発、高齢化、東京には大きな負荷がかかっている。この東京の負荷を軽減する。そして地方に雇用と所得を実現する。この2つを、国の在り方を、設計図を見直すという観点から、変えていかねばならない。
東京一極集中は天から降ったものでも、地からわいたものでもない。パリ一極集中、ローマ一極集中、そんなのは聞いたことがない。人為的に作っているものであって、人為的に変革していかねばならない。
東京の負荷を減らし、地方に雇用と所得、わが国をサステナブル(持続可能)な国にする。次の時代にもやっていける国にする。それは今やっていかねばならないことだ。人口の急減も理由があるからだ。そのことを1つずつ、私は解決していく。
産経新聞
2020.9.1 21:12
https://www.sankei.com/smp/politics/news/200901/plt2009010071-s1.html