国際政治学者の三浦瑠麗氏(39)が出演するCMに抗議が殺到し、解約騒動にまでエスカレートしている。いったい、何が起きているのか。

 三浦氏を起用したのはアマゾンの会員向け有料サービス「アマゾンプライム」。リリー・フランキーや松本人志など有名人がワンカットずつ出演する映像だ。このCMに三浦氏も出演しているのだが、それに対してアマゾンプライムの会員契約を解約する動きが発生。17日には「#Amazonプライム解約運動」というハッシュタグがツイッターのトレンドで1位に入る事態になっているのだ。

 反感の理由は三浦氏が過去、徴兵制の導入を主張したり、テレビの「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、大阪に北朝鮮のスリーパーセル(工作員)が潜伏していると発言したかららしい。差別的なタカ派と受け止められたようだ。松本は同じ番組で川崎市で起きた児童殺傷事件の容疑者について「不良品」と発言したため批判されている。

 こうしたことからアマゾンプライムに対して、「他人を傷つけたり、間違った話をした人物を広告に起用するということは、企業がその発言に同意するのと同じ」という批判が起きた。ツイッターには<松本人志とか三浦瑠麗とか、CMを見るに耐えない><徴兵制主張者をCM採用する外国企業の不買運動に賛同します!>といった過激な投稿が並んでいる。

 アマゾンプライムに問い合わせたところ、PR担当者が「皆さまの反応を真摯に受け止め、今後の製作に反映したいと思います。このCMは当初の予定通り、まもなく終了します」とのこと。

 ただし、三浦氏起用の経緯やCMがいつ始まったのか、メールなどでどんな反応が届いているのかは「経営上の機密事項なので申し上げられません」とのことだった。

■安倍政権とベッタリ?

 それにしても、なぜ三浦氏は、ここまで世間の反感を買ったのか。

「安倍政権とベッタリとみられているからです」とはITジャーナリストの井上トシユキ氏だ。 

「松本さんも三浦氏も『ワイドナショー』に出演し、松本さんは3年前、安倍首相と食事した。そうしたことから以前から三浦氏も、安倍首相の取り巻きと認識されていたのです。そこに今年2月、アマゾンの子会社が政府系のクラウドサービス業務を請け負い、リベラル派から『アマゾンが安倍政権にすり寄っている』との声が上がった。そんなときに、三浦氏、松本さん、アマゾンがCMで一体化したため、一気に反発が起きたようです」

 三浦氏がハキハキものを言うことも一因ではないかという。

「三浦氏はそのルックスから、右派の人たちから『ネトウヨの姫』と称えられています。当然ながら、左派の人たちは気に食わない。『学者のくせにアイドルぶっている』との声もあり、そうした不満が爆発したと考えていいでしょう」(井上トシユキ氏)

 アマゾンプライムも三浦氏も、まさかここまで視聴者が強く反応するとは想像していなかったに違いない。

日刊ゲンダイ
2020/08/19 13:50
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277522/