商船三井が運航する貨物船がインド洋の島国、モーリシャスの沖合で座礁した事故で、大量に流れ出したおよそ1000トンの重油はいまだ半分も回収されておらず、地元の人たちは環境への影響を少しでも軽減しようと、オイルフェンスを手作りするなどして回収作業にあたっています。

この事故は先月26日、岡山県の長鋪汽船が所有し、商船三井が運航する貨物船がモーリシャスの沖合で座礁し、会社側は11日、流出したとみられるおよそ1000トンの重油のうち460トンを回収したと発表しました。

しかし、流出した重油の半分以上はいまだ回収されておらず、さんご礁や水鳥など環境への影響が懸念されています。

現地では、地元のボランティアが乾燥した草の茎を束ねて布製の袋に詰めた手作りのオイルフェンスを海に浮かべて重油を岸から遠ざけたり、漂着した重油を手ですくってバケツに入れたりする作業を急ピッチで進めています。

ただ、粘着性のある重油が海岸に漂着すると思うように回収できず、ボランティアの男性は「重油がこんなにどろどろとしていて、どうやったら自然が元どおりになるのか」と戸惑っていました。

今後、日本や各国が派遣した専門家チームも加わって回収作業が本格化しますが、貨物船には大量の重油が残され、船体に亀裂もみられることから、天候の悪化などによる被害の拡大が懸念されています。

NHKニュース
2020年8月12日 12時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200812/k10012563551000.html
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