立憲民主党の安住淳国対委員長は29日午前、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、新型コロナウイルスの感染拡大や豪雨災害について安倍晋三首相の説明を求めるため、臨時国会を召集するよう求めた。政府与党が応じない場合、憲法53条に基づき、臨時国会の召集を求める方針も伝えた。森山氏は「政府に伝える」と述べたが、政府は召集に否定的だ。

これに先立ち、立憲民主党など野党4党の国対委員長は国会内で会談し、与党側の対応を見極めた上で、週内にも53条に基づく臨時国会召集の要求書を国会に提出することを決めた。安住氏は記者団に「閉会中審査をいくら開いても首相が国会に出てこないのであれば、臨時国会を開いて首相が出ざるを得ない状況をつくるしかないという判断だ」と述べた。

憲法53条は、衆参両院いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないと定めている。ただ、開催期限の定めはなく、実際に召集するかどうかは、政権の意向に委ねられている。

安倍内閣が2017年に野党の臨時国会召集の要求に約3カ月応じなかったことは違憲かどうか争われた訴訟で、那覇地裁は6月、憲法53条に基づく臨時国会召集の要求を受けた内閣には召集義務があると指摘している。(清水俊介)

東京新聞
2020年7月29日 14時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/45618