立憲民主党と国民民主党の合流が議論されている。実現した場合、存在感はどこまで高まるのか。
今回、合流話が出てきたのは、端的にいって選挙対策だ。
秋にも衆院解散・総選挙が予想される中、合流して、野党票の分散を避ける意味があるだろう。

しかし、同じく総選挙を前にして、選挙互助会のごとく、改憲への姿勢を無視して合流するというのだから、
一般有権者側からみるとあきれてしまう。

世間からみれば、野党の間の政局なんて全く興味はない。
直近のNHKの世論調査によると、両党の支持率は、立憲民主党が4・9%、国民民主党が0・7%だ。合流したとしても、
自民党の32・2%を脅かすような存在にはならない。

しかも、3年前に別れたはずなのに、意見が違うまま、選挙がありそうだからと元の鞘に収まるというのでは、
よほど熱心な人でないと支持しないだろう。

せめて政策が一致している者同士が集まってほしい。そうでないと、存在感が高まるはずないだろう。
いずれにしても、今のままで立憲民主党と国民民主党が合流すれば、選挙目当ての野合、偽装結婚といわれてしまいかねない。
これは、自民党にとって好機に映るだろう。

というのは、憲法改正を争点として総選挙に持ち込めば、両党が合流した新党の弱点になるのだ。
しかも、両党には、消費税でも意見の違いがある。立憲民主党の枝野幸男代表は消費減税に積極的とはいえないが、
国民民主党の玉木雄一郎代表は賛成だ。

憲法改正や消費税のような基幹政策は総選挙の争点になりやすいが、意見の一致がない新党なら、
自民党はみずからの支持率が低くても勝てると踏んでくるかもしれない。
平時なら、野党の政局は犬も食わないが、それが総選挙ともなれば、一般国民にとっては急に面白くなることもある。ぜひそうなってほしいものだ。 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200715/K10012517681_2007151924_2007151935_01_02.jpg
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200723/dom2007230001-n1.html
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200723/dom2007230001-n2.html