新型コロナウイルスの東京都の1日あたりの感染者数が連日、注目を集めている。早い日には昼に速報が流れることもあるが、いったいどのように集計され、発表されているのか。

 新型コロナウイルスの東京都の1日あたりの感染者数が連日、注目を集めている。早い日には昼に速報が流れることもあるが、いったいどのように集計され、発表されているのか。

 都の担当職員が出勤して間もない午前9時。この日に発表される感染者数の報告が締め切られる。都庁の30階にある感染症対策部には2台のファクスが常備され、そこに都内31保健所から「新型コロナウイルス感染症発生届」が送られてくる。感染者1人につき、A4判1枚。この枚数が、その日に発表される都内の感染者数となる。

 都によると、都が発表している1日あたりの感染者数は、前日午前9時の締め切り以降、当日午前9時までに都にファクスで報告された人数だ。

 なぜ、締め切り時間がそんなに早いのか。都の担当者は「指標の数値をつくる作業と、報道発表の準備のため」と説明する。指標とは、都が感染状況を判断する際の参考としている感染経路不明者数(週平均)やその増加比などのことだ。

 都内での感染者数が最初のピークを迎えた4月は締め切りは正午ごろだった。だが、都が指標の公表を始めた5月半ばに午前9時に前倒ししたという。

 「同居する孫が感染していた」「感染者が出たホストクラブに客として行っていた」。都では締め切り後、感染者と直接やり取りしている保健所の保健師に電話で問い合わせ、行動履歴や感染源と思われる場所がないか聞き取る。接待を伴う飲食店、会食、家庭内、職場、施設内などに感染場所は分類されていき、どこで感染したかわからない場合、感染経路不明と判断される。

朝日新聞
2020/7/17 14:42
https://www.asahi.com/articles/ASN7K4T18N78UTIL03Q.html