森友問題で公文書改ざんを命じられ自ら命を絶った赤木俊夫さん。15日から始まる裁判を前に、妻・雅子さんが小川彩佳キャスターの単独インタビューに応じました。夫とともに、絶望と孤独に苦しんだという雅子さんの貴重な証言です。

 赤木雅子さん(49)は、夫の写真を手にインタビューに応じました。

Q.写真は生前の俊夫さんですか ?
 「改ざんをした後に(2017年)4月に、淡路島にドライブに行ったときの写真です。ちょっと元気がないんですけど、この時のことを忘れたくないので、これをずっと置いて」(夫・俊夫さんを亡くした赤木雅子さん)

 夫・赤木俊夫さん(享年54)。財務省に森友文書の改ざんを命じられ、それを苦にして自ら命を絶ったといいます。雅子さんは、寝室に2枚の写真を飾っています。改ざん後の写真と改ざん前の写真です。
Q.2枚を同時に置かれているのはなぜ?
 「つらかった時を忘れたくないという思いと、でも明るくて元気だった時の顔も見たいから」(赤木雅子さん)

 夫はどのように改ざんを命じられたのか。なぜ、死に追いやられたのか。真相を知りたいと、雅子さんは、国と当時の理財局長だった佐川宣寿氏を相手に、損害賠償を求める裁判を起こしています。15日、いよいよその裁判が始まります。

 「私、あまり人生に後悔することがないけど、夫のことだけは後悔すごくしているので、夫のことに関して、もう後悔したくないので」(赤木雅子さん)

Q.後悔とはどういうことか?
 「夫は改ざんしてから、人が変わってしまって、うつになって、亡くなる3か月前ぐらいから、人格も変わって、壊れてしまって。私はずっと隣にいたのに、助けてあげられなかったこととか。私には手段がなかったので、今はできるかぎりのことをやりたいと思います」(赤木雅子さん)

 国有地が8億円以上も値引きされて、森友学園に売却された「森友問題」。

 「私はその時は、神風が吹いたかなというふうに思った」(森友学園 籠池泰典理事長・ 証人喚問2017年3月)

 理事長だった籠池泰典氏が言うところの「神風」は、なぜ吹いたのか、誰が吹かせたのか、今も判然としません。

 昭恵夫人は、ここに建設予定だった小学校の名誉校長を引き受けていました。値引きに安倍総理や昭恵夫人が関与したのではないか。

 そんな疑惑に対し、安倍総理は2017年2月17日、こう言い切りました。
 「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい」(安倍首相・2017年2月17日)

 雅子さんは、安倍総理のこの答弁が、改ざんのきっかけになったと考えています。
 「(財務省秘書課長の)伊藤さんという方が家に来られて、“2月17日の安倍首相の発言が関係している”と私の自宅に来てはっきりおっしゃった。そこはちゃんと説明をしてほしい」(赤木雅子さん)

 総理の答弁から1週間後、財務省の理財局長だった佐川氏は・・・。
 「近畿財務局と森友学園の交渉記録はございませんでした。記録が残っていない」(財務省 佐川宣寿理財局長・2017年2月)

 佐川氏の発言から2日後、俊夫さんが勤めていた財務省の近畿財務局に、改ざんの指示が来たといいます。その後、一部の交渉記録は存在していたことが明らかになりました。

 俊夫さんが残した手記には・・・。
 「元は、すべて、佐川理財局長の指示です。学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました。」(赤木俊夫さんの手記より)

 改ざんは、国会議員や昭恵夫人の名前などが削除される形で行われました。

 「現場として私はこれに相当抵抗しました。パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです。」(赤木俊夫さんの手記より)

 改ざんを強いられた直後から、雅子さんは俊夫さんの変化を感じ取っていました。
 「改ざんした日からコロッと様子が変わって、口数も減ってしゃべらなくなった」(赤木雅子さん)

Q.何があったのか、何をしているのかという話はされたか?
 「『内閣が吹っ飛ぶようなことをしてしまったんや』と言っていた。『僕はやってはいけないことをやってしまったんや』とすごい後悔した言葉を言うようになった」(赤木雅子さん)


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14日 23時17分
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