去年の参院選をめぐり、河井克行前法務大臣夫妻が買収容疑で逮捕されてから1週間。地元・広島では、広島県議会の奥原信也元議長が200万円を受け取っていたことを認めるなど、現金受け渡しの状況が次々と明らかになってきています。

三原市の天満祥典市長は、これまで否定してきた現金の受け取りを認め、辞職の意向を表明しました。受け取ったのは、去年の3月と6月の2回。計150万円でした。
三原市・天満祥典市長:「河井克行氏から150万円の現金の授受があったことを、この場で申し上げたいと思います。河井克行先生は、国会の大ベテランで、受け取ったことは2人の約束ということで守っておりました」「(Q.よろしく頼むというのは?案里候補については?)それはなかったと思います。そこはちょっと記憶が飛んでいますね」

案里容疑者の後援会長を務めた、府中町議会の繁政秀子議員は去年5月、案里容疑者の選挙事務所で、克行容疑者から30万円を受け取ったことを認めました。その際、克行容疑者は「安倍さんから」と、安倍総理の名前を出していたということです。繁正町議は「安倍さんの名前を聞き、断れなかった」としています。

同じく去年5月、広島市の石橋竜史市議も当選祝いとして30万円を渡されました。
広島市・石橋竜史市議:「応接室で(克行容疑者と)2人になったところで『竜史先生、当選おめでとう』と。私は当然ながら『もう勘弁してください。いいですから』と言うと、私の胸のポケットに強引にその封筒をねじ込まれるという格好で。こちらも断り続けますけど『おつかれさま』と言って、数分もあるかないかという状況で。『これは2人だけの秘密だからね。わかっているね』と」
石橋市議は、買収の意図は認識しなかったとしています。

一方、安芸高田市の児玉市長は、“認識していたうえで受け取った”としています。児玉市長は2回にわたって計60万円を受け取っていました。
安芸高田市・児玉浩市長:「2回目の30万円につきましては、これは本当に買収行為であるなと。(自分が当時)色々、要望を抱える県会議員という立場で、断り切れなかったというのが現実。大変申し訳ありませんでした」

河井夫妻には、去年の参院選をめぐり、地元議員ら94人に票の取りまとめなどを依頼し、約2570万円を配った疑いが持たれています。自民党本部から河井陣営に提供された1億5000万円と地元議員らに配られた金に関わりはあるのでしょうか。案里容疑者が出馬を表明して以降、党本部から河井陣営に振り込みがあった時期に、克行容疑者は繰り返し、安倍総理と単独で面会していました。
共産党・志位委員長:「(安倍総理が)河井克行容疑者と繰り返し会っている。4月、5月、6月繰り返しお金を渡した時期に会っている。現場では、案里容疑者の後援会長に『安倍さんから』と言ってお金が渡っている。なんでこんなことが起こっているのか。これすべて安倍総理が答える必要がある。説明する責任がある」
自民党内からも厳しい声が上がっています。
自民党・石破元幹事長:「政党助成金という国民の税金や党費が、ああいうことに使われているとするならば、なんであんなことが起こったのか。そして我が党全体にとって、あの選挙はどういう意味を持っていたのか」
関係者によりますと、克行容疑者は、渡した現金の出どころについて「自民党本部から振り込まれた1億5000万円ではなく、自分で用意した金だ」などと周囲に説明しているということです。また、広島の県議らの一部に現金を渡したことを認めたうえで、買収の意図は否定しています。

テレ朝news
2020/06/25 23:30
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