菅義偉官房長官は25日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府による世帯向けの布マスク配布について「(配送を委託した)日本郵便から厚生労働省に対し、6月20日までに島しょ部など配達に時間を要する地域も含めて全ての配布を完了したという報告を受けた」と明らかにした。4月17日の配布開始から2カ月、4月1日の安倍晋三首相による配布表明から2カ月半あまりかかった計算だ。

 首相は4月1日の対策本部会合で「日本郵政の全住所配布のシステムを活用し、1住所あたり2枚ずつ配布することといたします」と表明した。だが、個人向け給付金の金額すら決まっていない段階での「マスク2枚配布」の表明は、ネットで「エープリルフールかと思った」などと酷評され、首相の経済政策「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」という呼称が定着する展開をたどった。

 当初は事業費として466億円を計上していたが、マスク調達費などが想定を下回り、実際の経費は約260億円と見込む。実際の配布枚数は日本郵便が精査中だが、調達した1億3000万枚の一部が余っており、追加配布に充てる。【秋山信一】

毎日新聞
2020年6月25日 23時53分
https://mainichi.jp/articles/20200625/k00/00m/010/364000c