立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は24日、前法相で衆院議員の河井克行容疑者と妻の参院議員、案里容疑者が逮捕された公職選挙法違反事件に関する「実態解明チーム」を発足させた。同日の初会合で、野党が招待した元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士は、河井夫妻に現金を供与した自民党関係者に買収目的交付罪が適用される可能性に言及した。

 会合で郷原氏は「今回の事件はかなり異例だ。これまで早い段階での活動は地盤培養行為として買収を適用してこなかったが、それを立件して河井夫妻を逮捕した」と解説した。そのうえで「(これまでより)ハードルを下げて買収の摘発を行ったことで、ルビコン川を渡ったと言っていい」と語った。

 自民党本部は河井夫妻が支部長を務めた政党支部に1億5000万円を提供していた。河井夫妻は公選法違反(買収)容疑で逮捕されたが、郷原氏は「それ(買収)が行われることを認識し、目的を持って金銭の交付をする行為は交付罪になる」と説明し、「交付を決定した人」が罪に問われる可能性を指摘した。

 野党議員から、自民党総裁の安倍晋三首相や二階俊博幹事長に交付罪が適用される可能性があるか問われると、郷原氏は「目的を認識して交付すれば(適用される)」と語った。【宮原健太】

毎日新聞
2020年6月25日 07時00分
https://mainichi.jp/articles/20200624/k00/00m/010/304000c