自民党所属の日高滋県議会議員が、開会中の議会を「通院」と嘘の理由で欠席し、東京で自民党の会議に出席していたことがわかった。その場で、県選出の国会議員に来月の県知事選挙に力を入れるよう協力を呼び掛けたという。議員活動より選挙を優先した行動に、批判の声があがっている。
 県議会を虚偽の理由で欠席したのは、自民党所属の日高滋議員だ。10日朝、普段通り議場に姿を現した。しかし、その前日はある理由で議会を欠席した。
 議会事務局が9日、各会派に配った用紙には、日高議員が「通院」を理由に欠席すると書かれている。しかし、これが嘘だったことがわかった。実際は、東京で県選出の国会議員らが集まる自民党県連の常任顧問会議に出席していた。
 なぜ、嘘をついたのか。日高幹事長は、「どうしてって理由付けをしないとなかなか休みにくい所があったから」と話し、嘘をついたということでいいかと問われると、「いい。私がそういう届けをしたので」と答えた。
 日高議員は、自民党県連で選挙の指揮をとる幹事長を務めている。会議に出席した複数の国会議員によると、日高議員はその場で、自民党が推薦する現職の三反園訓さんの応援に力を入れてもらうよう協力を呼び掛けたという。
 日高議員は、「議会と自民党の仕事という関係の中で、そういう届けをしてしまった。そういう表現(通院)をして休んだことは…堂々と東京に行った方が良かったのかなと今思っていて申し訳ないと思っている」と話した。
 今回の件について、政治学が専門の鹿児島大学の平井一臣教授は、「本会議は年に4回しかない貴重な場、そこを優先に考えて欲しい。また、県境を越えた移動を慎重に行うよう県が呼びかける中の今回の行動は軽率だと思う」とコメントしている。
 嘘をついて議会を休み、幹事長の仕事を優先した今回の行動に、他の議員も批判を強める。無所属の下鶴議員は「議員にとって選挙は大事だが、県民の皆様からの負託を考えた時に、選挙よりも議員としての務めの方が優先されるべきだと考える」と話し、各会派の代表が集まる会議で追及したいとした。

鹿児島読売テレビ
6/10(水) 19:43配信
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