「本当にひどい」「議員辞職するべき」――。10代女性を支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」の活動を視察した自民党議員に対し、ネット上ではこんな声が噴出している。コラボが運営する10代向け無料カフェに大人数で押しかけた揚げ句、メンバーの少女にセクハラした輩までいたという。コラボは24日、謝罪を要求する抗議文書を公表したが、問題議員は呆れた言い訳をこねくりまわしている。

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 コトの発端は、馳浩元文科相が会長を務める自民党の「ハウジングファースト勉強会」による22日の視察だ。コラボが10代女性支援のために提供する「バスカフェ」に、馳氏、同会幹事長の阿部俊子衆院議員、鈴木隼人衆院議員、井出庸生衆院議員、朝日健太郎参院議員のほか、新宿区議や秘書など総勢10人以上で大挙して押しかけた。


 コラボ側が「5名まで受け入れ」とした約束は一方的に反故。そうでなくてもコロナ禍で国を挙げて「3密回避」の徹底を求めているこの時期に、あまりにも非常識な振る舞い。不信感を強めたコラボ側は抗議書で〈取材者も含めて30名ほどの人数となってしまい、密集せざるを得ず、スタッフや関係者の感染リスクが高まったことも心配でした〉と訴えている。

 問題はこれだけにとどまらない。コラボの10代メンバーの中には性的被害や虐待に遭い、居場所が分かると身に危険が及ぶ可能性がある少女がいるにもかかわらず、議員らは視察風景を断りなくパシャパシャ撮影。馳氏も鈴木氏もそうした写真をSNSにアップしていたが、批判されると慌てて削除。そろってSNSを通じて謝罪文を公表したものの、両事務所にコトの経緯などを問い合わせると「企画したのは阿部先生の事務所なので、そちらに対応を一本化している」と丸投げ。朝日氏と井出氏は「ツイッターに掲載した謝罪がすべてです」(朝日事務所)、「視察を企画した阿部事務所に聞いてください」(井出事務所)の一点張りだった。

■馳浩元文科相のセクハラ疑惑も浮上

 さらに呆れるのが、セクハラ疑惑だ。コラボ側の告発によると、カフェ設営時に馳氏が「ちょっとどいて」と言いながら10代女性メンバーの腰をタッチ。被害者は抗議文で〈「安い女」として下に見られているように感じ、このような人が国会議員であることにも怒りを感じています〉と訴えた。視察をアレンジした阿部事務所に多人数での訪問やセクハラ行為の有無などについて尋ねると、「事前の打ち合わせよりも多くの人が行ったのは事実」と認めた一方、「誰が(セクハラを)したのか、実際に起こったのか把握するためにも、(コラボの)代表の方と直接お話しして謝罪したい」とお茶を濁すだけだった。

 緊急事態宣言下での3密視察に、セクハラ疑惑――。組織は頭から腐るを地で行くアベ自民党の正体がアリアリだ。

日刊ゲンダイ
2020/04/25 15:00
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