2020.03.24 14:23

 東京オリンピック・パラリンピックの予定通りの開催が不安視され、延期論や中止論が国内外で出てきている。3月19日のAbemaTV『NewsBAR橋下』では、橋下徹氏と経済学者の竹中平蔵氏がこの問題について議論した。

竹中:6月の頭に天津でサマーダボスがあるが、これが開催できるかどうか。できなければ7月のオリンピック・パラリンピックは大変厳しいと思っていた。オリンピック・パラリンピックはトータルで6000億円かかると言われていて、そのうち半分の3000億円ぐらいは企業が出したパートナーシップなどお金なので返さなくてもいいが、残りはテレビの放映権やチケットだ。つまり金額的な問題がある。もうひとつ、オリンピック・パラリンピックというのは世界の7割の人が見る特別なイベントで、国も企業も個人もそれに向かってやってきた。
そのモメンタムが一気に低下するという意味でマイナスの効果がすごく大きい。数千億円であっても、人々の気持ちは沈む。JOCも一応いろいろなことを考えている。今回、延期説も出てきているが、これはスポンサーと、アメリカでスポーツコンテンツが無い夏にしかできないということなので、延期するとしたら1年か2年後だと。

橋下:日本に決定権はないし、各国が日本に行きたいと思うかどうかだが、世界はものすごく新型コロナウイルスを恐れている。

竹中:特にヨーロッパが恐れている。ペストやスペイン風邪など、常に最前線で疫病との戦いを経験しているので、私たちが考える以上にセンシティブだ。

橋下:IOCは政治家ではないから、お金のことも考えて、大胆に中止という決定はできないと思う。日本では“中止はありえない”などと言っているが、表では言えなくてもダメな時のプランは考えておかないといけないし、“こういうふうな対策をやるから大丈夫。安心してくださいね”いうメッセージを出したり、
“致死率を見ていきましょう”ということを世界各国の政治家と合意をとっていくなりしていかないといけないと思う。戦争をしたときの日本人を思い出して、“これはどう考えてもまずいんじゃないの”と思う。“やるんだ。やるんだ”だけだと玉砕しそうだ。

竹中:もう一つ、議論されていないのは、もしもオリンピック・パラリンピックができなくなると、安倍総理がいつ安倍政権を閉じるのかという選択がすごく難しくなるということだ。過去35年で、総理官邸を笑顔で去った人は中曽根さんと小泉さんの2人しかいない。安倍さんは3人目になりたいわけだが、“花道”になるオリンピック・パラリンピックがどうなるのか。政局が絡んでくる。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)


https://times.abema.tv/posts/7047102

最終更新 : 2020.03.24 14:24