昨年7月の参院選での河井案里参院議員(自民、広島選挙区)の選挙運動をめぐり、案里氏の公設秘書ら3人が公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された事件で、選挙運動費の収支報告書に未記載の車上運動員にも、法定上限を超える報酬が支払われた疑いがあることがわかった。捜査関係者が明らかにした。広島県選挙管理委員会は、事実であれば同法違反の可能性があるとの見解を示している。

 案里氏の公設秘書の立道(たてみち)浩(54)、案里氏の夫で前法相の克行衆院議員(自民、広島3区)の政策秘書の高谷真介(43)ら3容疑者の逮捕容疑は、共謀して昨年7月、車上運動員14人に法定上限(日当1万5千円)を超える報酬を支払った、というもの。

 しかし県選管に提出された収支報告書では、法定内の3万円(2日間)〜12万円(8日間)の計102万円を名前が明記された車上運動員13人に支払ったことになっていた。一方、広島地検の横井朗(あきら)次席は逮捕時、これより1人多い14人の報酬が法定上限を超えていたと説明。収支報告書に未記載の14人目の車上運動員がいたことになる。

朝日新聞
2020年3月4日12時24分
https://www.asahi.com/articles/ASN343RZ8N33PTIL03H.html