防衛省は2日、山本朋広副防衛相(衆院神奈川4区)が公費約118万円を使い、146泊、東京都内のホテルで宿泊を繰り返していたと発表した。山本氏は昨年秋まで東京都心の議員宿舎に入居していなかった。防衛相不在時などの危機管理対応のためと説明しているが、河野太郎防衛相から「議員宿舎に入るべきだ」と注意を受けて宿泊をやめた。

 山本氏が宿泊していたのは同省のすぐそばにあり、同省関連団体が運営するホテル「グランドヒル市ケ谷」。最初に副防衛相に就任した2017年8月から18年10月の間に134回(計107万7780円)泊まり、再任した19年9月から10月の間、12回(計9万7650円)宿泊し、いずれも公費負担だった。

 山本氏は当選4回で、選挙区は横浜市の一部や神奈川県鎌倉市などを含む神奈川4区。東京都内に自宅がなく議員宿舎も借りていなかったため、防衛省が、同ホテルを宿泊施設として用意していたという。しかし、再任後の19年10月ごろ、外部から、山本氏が公費でホテルの宿泊を繰り返しているとの指摘を受けたため、河野氏が確認したうえで、都心の議員宿舎に入居するよう指示した。山本氏は昨秋から東京・青山の議員宿舎に入居している。

 防衛省では、大臣不在時や北朝鮮のミサイル発射などの危機管理対応のため副大臣や政務官に、都内で待機する「在京待機」を割り当てている。在京待機は2003年から制度化しているが、過去に政務三役が、東京23区内に自宅がなく議員宿舎にも入居しないケースはなく、記録の残る5年分でも同様の支出はないという。【田辺佑介】

毎日新聞
2020年3月2日 21時17分
https://mainichi.jp/articles/20200302/k00/00m/010/308000c