https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200228-00000127-mai-pol
 野党は衆院の予算審議では、論戦を通じて、東京高検検事長の定年延長を巡る答弁の「迷走」など「政権の失策」をあぶり出すことに注力し、国会での日程闘争を控えた。新型コロナウイルスの感染拡大が経済活動に影響を及ぼす中、予算審議をいたずらに引き延ばせば、世論の批判を招くとの判断もあった。「桜を見る会」や不安定な答弁を続ける北村誠吾地方創生担当相の資質問題など攻撃材料には事欠かず、参院の審議でも戦略は変えない方針だ。

 立憲民主党など野党4党は28日、「首相の突如とした一斉休校の要請は場当たり的で、大きな混乱をもたらした。政府に責任を持った対応はできない」などとして、新型肺炎の対策費を拡充する予算案の組み替え動議を衆院予算委員会に提出した。否決されたが、野党の提案力をアピールした。

 野党は衆院審議で、政府の新型肺炎対応や検事長定年延長、桜を見る会に照準を合わせ、安倍晋三首相を責め立てることに徹した。首相のヤジや閣僚の答弁撤回などもあったが、野党が予算委を流会させたのは2回のみ。立憲幹部は「世論が予算案成立を大事と考える状況下で、審議拒否はとりづらい。首相らを問い詰めるほうが有効だ」と解説する。

 「どうにか北村氏を罷免させられないか」。国民民主党が27日に開いた衆参の国対間の引き継ぎで、衆院国対幹部はこう要請したという。野党は週明けからの参院審議で、北村氏の資質問題や、新型肺炎の感染拡大で政府が大規模会合自粛を要請する中、政治資金パーティーを開いて批判を浴びた秋葉賢也首相補佐官への追及も強める構えだ。【東久保逸夫、野間口陽】