飯トモ以上の関係なのか――。コロナ対策もそこそこに連日会食を重ねている安倍首相。コロナ対策の基本方針を発表した25日も、大手IT関連企業社長らと会食した。その会食相手を巡り、安倍政権との関係を怪しむ声が出ている。


 問題の相手は、クラウドソーシング大手「ランサーズ」の秋好陽介社長。2008年の創業以来、ネット上で仕事の発注者と受注者をつなげるサービスを提供している。

 今期の売上高は34億円。今や国内最大級のクラウドソーシング企業に成長したが、17年には自社サイトに「政治系サイトのコメント欄への書き込み。保守系の思想を持っている方」との業務依頼を掲載したことで炎上。

 募集対象者が「安倍政治を応援している方」「テレビや新聞の左翼的な偏向報道が許せない方」だったため、政権寄りのネット工作の片棒を担いだのではないか、と批判された。

■明恵夫人が講演の過去

 折しも、ツイッター上で複数のアカウントが〈よく考えたらコロナウイルスかかっている人あんまりいないよね笑〉との同じ投稿を量産して話題となったタイミング。ネット上では会食について〈安倍が世論操作か〉との声が噴出しているが、実際、同社と政権との近さをうかがい知れるエピソードもある。

 秋好社長は15年に内閣府主催の「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」にパネリストとして参加。翌年のランサーズ主催の「Lancer of the Year 2016」ではナント、安倍首相の妻・昭恵夫人が講演している。最近も、「安倍総理のいいところがわかるエピソード」を記事にするという業務の依頼を掲載していた(削除済み)。

 ランサーズは26日、「一部ソーシャルメディアでの発信について」と題したリリースを発表。〈事実と異なる部分が多く含まれておりました〉と反論した。同社に改めて会食の目的を問い合わせると、「複数の企業の経営者と意見交換を行うために会食をしました」(広報担当)と回答。前出のツイートの量産との関わりについては、「弊社では安心安全の取り組みとしてステルスマーケティングを禁止しております」(同)と答えた。

 ネットサポーターを抱える安倍自民党のことだ。コロナ対策の不手際隠しに何を企んでいても、不思議ではない。

日刊ゲンダイ
2020/02/27 14:50
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