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27日から衆参両院の予算委員会で行われた19年度補正予算案審議が30日、終了した。

新型コロナウイルスの問題が拡大する中、野党は「桜を見る会」について引き続き安倍晋三首相の見解をただしたが、首相は「同じ質問には同じ答え」と、従来の見解をただ繰り返す場面が目立った。

この日は昨年11月、「桜」問題ブレークのきっかけの質問をした共産党の田村智子氏が、首相と再対決。18年の「桜を見る会」に自民党の地方議員が多数招待され、首相らの推薦者が含まれる招待者数が急増したことを踏まえ、同年9月の自民党総裁選を見据えた、首相の党員票獲得対策ではないかと迫った。「モリカケ問題で総裁選はピンチといわれていた。総理の座に居座り続ける手段だ」と、不自然さを指摘された首相は「まったく違う。地方議員を大事にしている」と反論。激しい応酬が続いた。

田村氏は、昨年11月に初めて指摘した首相による会の私物化を「事実でしたよね」と、指摘。首相が「私物化ではない」と突っぱねたが、田村氏は「私物化が私物化と分からない。官僚の皆さん、教えてあげてほしい」と、皮肉った。

野党の「桜」追及は止まらない。29日には自民党の世耕弘成参院幹事長が、同日の参院予算委で「桜」問題を質問し、新型コロナウイルスに触れなかった立憲民主党の蓮舫参院幹事長を、SNSで批判した。だが、蓮舫氏は所属会派内で質問内容を振り分けているとして、世耕氏の「勇み足」も批判の的となった。

蓮舫氏をめぐっては、29日の質問で、政治枠と省庁枠の推薦者名簿の締め切り日を質問した際、内閣府がそれまでの説明を突然変えたと反発。この日、異例の再質問に立った蓮舫氏に、内閣府は「丁寧さ、正確さを欠いた」と謝罪、前日の答弁を訂正した。蓮舫氏は「政府は資料を廃棄したと言うが、調べれば裏付けの資料があるという立証にもなった」と強調。野党による追及の「成果」が現れた形だ。【中山知子】