「幅広く募っているが、募集ではない」という仰天の国会答弁で国民から嘲笑されている安倍首相だが、29日の参院予算委でも議場をザワつかせる答弁が飛び出した。立憲民主党の蓮舫議員が「桜を見る会」の総理枠をめぐる疑惑について質問した時だ。

「(招待客の)名簿を復元する方法はたったひとつ。安倍事務所に(対して)後援会の1人ひとりに(桜を見る会に出席したのか)確認してください。調査せよと(事務所に)命じていただけませんか」

 蓮舫議員はこう声を張り上げ、さらに、選挙区内の有権者にカニやメロンを贈ったり、秘書が香典を渡したりした公選法違反疑惑が指摘されている菅原一秀前経産相の例を挙げて「菅原前大臣は一応事務所で調べて国会で答弁している。安倍首相はなぜ、しないのか」と畳みかけた。

 すると、安倍首相は「私の事務所にかかわることですから、担当(総務)大臣から答弁させていただきたい」などと答えたからビックリ。

 安倍事務所に関することなのに、なぜ、総務大臣が答えるのか。安倍政権では総務大臣が安倍事務所も担当するのか。


 突然、安倍首相に答弁を振られた高市総務相は、金子委員長の顔を見ながらアタフタし、「公選法の解釈ということであれば私が答弁するのですが……。(招待客について)説明するのか、しないのかと言えば、私じゃないのと思うのですが……。あの、よろしいですか」と動揺を隠せなかった。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。

「これまでは“軍師”がいて、きちんと問題を整理し、答弁のポイントなどをレクしてきたのでしょう。しかし、そういうレクや助言をする人が安倍首相の周りからいなくなっているのではないか。そのために自分で考えて答弁しなければならなくなり、四苦八苦しているように見えます。答弁内容がどんどん支離滅裂になっている状況を見ていると、いよいよ政権末期に来ているのではないかと思います」

 理解不能の答弁はまだまだ出てきそうだ。

日刊ゲンダイ
20/01/29 22:10
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