安倍晋三首相は29日の参院予算委員会で、昨年の参院選で自民党の河井案里参院議員側に党本部が計1億5000万円の政治資金を支出したことについて「全て党の執行部に任せている。報告は受けていない」と述べた。立憲民主党の杉尾秀哉氏への答弁。

 また首相主催の「桜を見る会」を巡り、会の飲食物の提供業務を請け負ってきた「ジェーシー・コムサ」の役員について「(妻昭恵氏の)昔からの友人で、私自身もよく知っている」と言及した。業務受注では「一切、依頼を受けたことはない」と強調した。

 菅義偉官房長官は、会の推薦者名簿の存否の調査について「何回も調べさせているが、ないことが明快だ」と全否定した。

 野党から「マイナンバーカードは総務省が都道府県と連携して2000万人の情報にきちんとセキュリティーをかけている。なぜ、(1万5000人程度の)推薦者名簿の保存が難しいのか」と追及されると、菅氏は「紙での保存は個人情報が漏えいする恐れがあり、(保管期間を)1年未満にしている」と釈明した。立憲の蓮舫氏への答弁。

 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件に関連し、収賄容疑で逮捕された秋元司衆院議員らの説明責任に関して、首相は「(秋元氏ら)政治家は国民から選ばれ、その職責を果たす責任を負う。可能な限り説明を尽くすのは当然だ」とするにとどめた。一方でIR整備は「国民の理解を得ながら進めたい」と推進する考えを改めて示した。国民民主党の徳永エリ氏への答弁。【野原大輔】

毎日新聞
2020年1月29日 22時19分
https://mainichi.jp/articles/20200129/k00/00m/010/322000c