韓国が素材や部品、製造装置の「日本頼み」からの脱却で成果を出し始めている。日本政府が昨年7月に強化した半導体材料の輸出規制を受けたものだ。歴代政権の国産化の取り組みは実を結ばず、日本側も冷ややかにみていたが、官民挙げて猛スピードで対策を実現しつつある。

 「超高純度フッ化水素の生産能力を確保」。韓国メディアに年明け早々、こんなニュースが躍った。超高純度のフッ化水素は日本が輸出規制を強化した3品目の一つ。最先端の半導体製造に不可欠で、日本企業が生産を独占してきた。それを、ソウルブレーンという韓国化学メーカーが国内需要の大部分を供給する態勢を整えたと発表したのだ。

 同社を訪れた成允模・産業通商資源相は、3品目のうちで国産化の第1号だとし、「日本の規制強化を機に(韓国は)ピンチをチャンスに変えた」と語った。

 半導体は韓国の輸出の約2割を占める重要産業だ。それだけに、韓国側の危機感は強かった。純度は99.9999999999%が求められ、9が12並ぶため「12の9」といわれる。安定供給できるのは日本企業だけとされていた。

朝日新聞
2020年1月21日06時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN1N6WC9N1BUHBI01V.html