安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」に毎年、多数の地元支持者を招待している可能性が浮上し、野党が「私物化だ」と批判しています。どのような行事なのか、おさらいしました。 (横山大輔)

 Q 会の目的は?

 A 政府は「各界において功績、功労のあった方々」を招いて慰労する公的行事に位置付けています。例年四月、東京都内の庭園「新宿御苑」で開きます。

 Q どんな内容ですか。

 A 首相あいさつと乾杯のほかには特になく、来場者は庭園を楽しみながら歓談します。首相は来場者と握手したり、記念撮影に応じたりしています。

 Q 多くの人が招待されているようですね。

 A 政府の開催要領で招待者一万人が目安とされますが、二〇一四年度以降、招待者も来場者も増加が続いています。本年度は招待者約一万五千四百人に対し、同伴者を含め約一万八千二百人が来場しました。

 Q そうなら国が使うおカネも増えますね。

 A 開催費は一四年度以降、毎年千七百万円余を予算計上していましたが、実際の支出はそれを大幅に超え、年々増えています。本年度の費用は約五千五百万円。これが国会審議で批判されると、政府は「実態に合わせる」として来年度予算に五千七百万円余を概算要求しました。

 Q 招待されるのはどんな人ですか。

 A 開催要領には、皇族や各国大使、国会議員らが明記されています。「各界の代表者等」として、スポーツ分野や芸能界、報道関係者も招待されます。

 Q どう選ぶの?

 A 「各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待している」(菅義偉官房長官)というのは、政府の表向きの説明です。自民党幹部は「えたいの知れない人が来ないよう議員に枠が割り振られる」と認めています。実態は与党議員の推薦枠があり、地元の支持者も多数招かれているようです。

2につづく

東京新聞
2019年11月12日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201911/CK2019111202000132.html
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