開幕から3日で中止となったあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が8日、再公開されました。
再開を歓迎する声がある一方で、そこにあったのは制約が増えて、そして、観客にとっては不自由となった展示でした。

 8日午後2時すぎ、中止になっていた国際芸術祭あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」が再開されました。
慰安婦の少女像を中心に、その展示内容から脅迫や激しい抗議が相次いだため、開幕から3日で中止となったこの展示会。
主催者の愛知県側が再開を求める不自由展の実行委員に条件を提示して協議が続けられてきました。
再開にあたっては、手荷物検査や金属探知機などによるセキュリティー強化。さらに入場者を抽選して一回あたり30人の
ガイドツアー方式にするなどの対策が取られています。さらには…。

 愛知県・大村秀章知事:「動画撮影は禁止させて頂きます。そして、SNS拡散を防止するということで対策を講じさせて頂きたい」
 SNSでの拡散防止のため、場内での動画撮影は禁止にするなどの念の入れようです。SNSの拡散防止に加え、対応を迫られていたのが
電話での抗議、通称「電凸」です。これに対しても新しい試みがなされました。出展作家の高山明さんにより、
疑問の声に作家や学芸員自らが直接答える「Jアートコールセンター」が8日から立ち上げられました。

 多くの対応策を講じ、踏み切られた展示再開…。しかし、依然、再開への「賛成」「反対」意見の衝突は収まりません。
再開前の午前9時ごろ、真っ先に会場を訪れたのは、展示再開に反対する名古屋市の河村たかし市長です。

 名古屋・河村たかし市長:「とんでもねぇよと。再開をやめてもらわないかん。
今回は表現の自由に名を借りた世論ハイジャック、暴力ということです」

 7日、市が負担する開催費用約3300万円の支払いを保留する考えを明らかにした河村市長。展示が再開されるや否や、
自らプラカードを持ち、会場前での座り込みによる抗議を行いました。作品を鑑賞した人たちは…。

 鑑賞した人:「言ってしまえば何の変哲もない少女像でした。薄暗くてドロドロしたような空間じゃなくて、
思ったより明るくて。やっぱり以前、お蔵入りになったもの、公共の場で見れるようにするっていうそのアイディアが大変、興味深かった」
「(Q.鑑賞されている人の様子は?)やっぱり真剣に事情を知っているからね。ここに至った事情。真剣に見られていたと思いますけどね」
「(Q.写真撮影禁止はやむを得ない?)そうだね…。きょうに限ってはやむを得ないのかな。本当は変な話だわね。自由だわね。そんなの」

 また、中止になった経緯や作品への説明資料も配られたということです。一方で、萩生田文部科学大臣は8日、
展示再開と展示会の補助金7800万円を全額不交付としたことについてこう話しました。
 萩生田文部科学大臣:「展覧会の開催については主催者である実行委員長において判断すべき事柄だと考える。
助金を不交付にしたのは、補助金申請上、補助申請者において不適当な行為が認められたことによるものであり、
この度の展覧会の再開の有無とは関係ないと考えています」

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000166251.html

参考
表現の不自由展 観客にSNS禁止の誓約書を書かす それは表現の不自由にならんのか?
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1570566372/