日本政府観光局は25日、8月に日本を訪れた韓国人旅行者の空港・港湾別の推定値を公表した。長崎県対馬市の厳原港で前年同月比91・1%減、福岡市の博多港で60・6%減など九州で大きく落ち込み、全国平均(48・0%減)を大きく上回る減少率となった。9月以降の航空便の減便・運休も九州路線が最多で、観光産業などへの影響拡大が懸念される。

 空港で最も落ち込んだのは関西空港の53・8%減、次いで福岡空港の49・4%減。一方で成田、羽田、中部空港の減少率は20%台にとどまり、韓国に近い西日本の影響が大きかった。港湾でも韓国との定期航路がある長崎県や福岡県の港の減少率が大きく、韓国人旅行客の急減ぶりが裏付けられた。

 政府観光局のまとめによると、韓国の航空会社の日本便は夏ダイヤ(3月31日〜10月26日)で52路線(週1292便)あるが、利用客の減少でこのうち33路線(週292便)が9月に入って減便・運休した。地域別の減便・運休は九州路線が最多の15路線(週95便)に上り、九州便の座席数は2割以上減った。

 政府観光局の担当者は「韓国人以外の外国人旅行者数は前年同月比11・5%増と増加傾向にある。誘客先の多角化などを推進することが重要だ」としている。(森井徹)

西日本新聞
2019/9/25 20:06
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