「棄民という言葉があります。(中略)台風15号による被害と同時並行でにぎやかに発足した安倍改造内閣、災害と組閣2つのことを一緒に見ますと棄民の意味がわかります」(金平茂紀・ジャーナリスト)


 これは9月14日のTBS報道特集で金平さんが語った言葉だ。金平さんは(中略)の部分で、棄民の意味も説明している。

「災害や戦争などで酷い目にあっているのに、国やメディアから見捨てられた人々のことです」と。

 彼がいってることは正しい、「国とメディア」の罪だ。

 内閣改造が落ち着いてからの千葉の報道。報道マンとしての正義があるならば、内閣改造のため集められたその場所で、

「今、こんなことやってる場合かっ」

 という言葉を安倍政権にぶつける人がいたってよかった。

 もうメディアは、あたしたち国民の方を向いて報じるということをやめたのか。だったら、あたしたちももう情報を買うのをやめるわ。

 安倍政権は恐ろしいから、そんなことすると次からは情報をリークしてもらえなくなるのか。でも、政権発信の情報なら政府広報のホームページでいいんだわ。

 安倍首相が千葉の台風被害のため重い腰を上げたのは、9日未明から4日も経った13日。しかも対策本部を作るとかそういうことじゃなく、閣僚たちにちょろっと指示を出したとされる。菅官房長官に至っては、13日の会見で台風被害を豪雨被害と間違える始末。

 でもって安倍応援団が、「千葉の災害を利用して政府を糾弾するな」とか「被災地・被災者を政治利用するかのような政府批判するな」とか一生懸命いっている。

 なぜならば今回のやらかしは安倍政権にとって、相当にヤバいことだからだ。国民のことなどなんにも考えていないグロテスクな集団だということが露わになってしまった。その証左だった。右に倣えのメディアもおなじだ。

日刊ゲンダイ
19/09/20 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262080/